思えば、音楽好きだったと思います。特にテレビアニメの主題歌。場合によってはアニメの内容よりも曲の方が気になって、テレビ画面を見つめて歌詞を覚えては、歌っていました。母によると、1歳半ごろには、テレビに出演していた演歌歌手の曲を覚えて、勝手に歌っていたそうです。どうやって覚えたのか私も不思議。小学生になるとクラシックピアノを習い始めました。
あるとき、いつもの練習曲を弾いた後にふと、「作曲してみよう」と思い立ちました。基本的な練習曲をやっていた頃で、シンプルな曲なら自分でも考えられそう、と。しばらく考えて音符をいくつか書いてみたものの、、、メロディが出てこない。そうか、曲にはまず始めのメロディがいるのか。いわゆるイントロというやつですが、何のメロディーも思いつかないまま、少し失望してピアノの蓋を閉じた子供の私。その蓋の重さを今でも覚えています。
大人になりボーカルレッスンに通うようになりまして、そこではたいてい、講師から曲を選んでくるように言われます。好きな曲を1年ほどいくつか歌いつつ、なんか違うなという気がするのです。好きな曲のはずなのに、です。ほかにもっと合う曲をと探し続けたけど、こんなにもたくさんの曲が身の回りにあるのに、自分が強く「歌いたい」と思える曲がなかなかない。選曲の試行錯誤を続けて、ようやく気付きました。
「自分が作ればいい」のだと。
まさかこんな結論が出るとは...。長い間、リスナー専門だった自分には、全く予想していなかった展開に驚きながらも、どこかで、こうなるのが当然というか必然だったようにも思え、私にとってはあるべき自然な流れにのった感じがありました。ソングライトのレッスンの担当は、プロのサックス奏者の先生でした。作曲の初歩から多様なコードまで、この方から学んだことは今でもとても役にたっています。
ソングライトをあきらめた小学生の私に、将来ソングライターをやることになっているよ、と告げたら、一体どんな顔をするのでしょう?すごく見てみたい気がします。